講演

王丹

ゲノムが導く明日の自分 王丹 Dan Ohtan Wang 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)助教

中国沈陽市出身。東京工業大学で学士、修士課程を修了し、南カリフォルニア大学で博士号を取得。その後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)および理化学研究所基幹研究所でポスドクトレーニングを得て、現在は京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)でフェロー(グループリーダー)として研究活動中。RNAダイナミックス制御による脳の高次機能の仕組みを解明することを目指している。

意志や抽象的思考といった脳の高次機能について考えたことがありますか?私たちはどのようにして推論し判断し、意志をもって行動するのでしょうか。人を好きになったり嫌いになったりするのはどうしてでしょうか。果たして人間は、感情を意志でコントロールできるのでしょうか。私たちの個性は、どのようにして形成されたのでしょうか。
こういった精神的な機能も一種の生命現象ですから、ゲノム情報が深く関与しています。意志や個性を生み出すにはゲノムの情報がどのように使われるのか、研究現場から最新の知見をお届けします。

アレクサンダー ツェコフ ステイコフ

コンピュータシミュレーション ナノの世界へようこそ アレクサンダー ツェコフ ステイコフ Alecsandar Tsekov Staykov 九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER) 助教

1979年ブルガリア生まれ。ソフィア大学で理学修士を取得した後、ライプツィヒ大学で博士号を取得。ブルガリア語、英語、ドイツ語など5言語を巧みに操る。専門は物理と理論化学。コンピュータシミュレーションを用いた化学反応の発生や、水素と金属の相互作用や水素製造について日夜研究に勤しんでいる。

子どもの頃、私はSFの世界に憧れていました。大きくなると、SFは未来の予測だと考えるようになり、未来を創る科学の世界で研究者として携わりたいと思うようになりました。夢でしかなかった水素カーもいまや現実のものです。未来の世界を一緒に考えてみませんか?分子や原子は0.1から100ナノメートルという大きさで、実際に目で見ることはできません。しかし物理学や数学の法則を用いると、それらがどのように動き、反応するかをシミュレーションすることができます。これらは驚くほどナノの世界を明瞭にし、また量子力学や相対性理論など物理学のすばらしい法則は、原子を構成する小さな粒子から巨大な星や銀河まで、宇宙の始まりを説明することができます。謎に満ちた「空間と時間」「分子と電子」、目に見えない不思議な世界を一緒に解き明かしましょう。

村山斉

宇宙に終わりはあるのか 村山斉 東京大学国際高等研究所カブリ数連携宇宙研究機構 機構長 カリフォルニア大学バークレー校 マックアダムス冠教授

1964年東京都八王子市生まれ。小学6年生から中学3年生までドイツ、デュッセルドルフに住む。ICU高校、東京大学、東京大学大学院を卒業。1991年東北大学助手、1993年からアメリカ、サンフランシスコ郊外のバークレイで研究。現在カリフォルニア大学バークレイ校教授。2007年から東京大学数物連携宇宙研究機構(2012年にカブリ数物連携宇宙研究機構に名称変更)機構長。

誰でも星空を見上げると、不思議な気持ちにとらわれたことがあるでしょう。この大きな宇宙はどうやって始まったのか、終わりがあるのだろうか、宇宙は何でできていて、その中にどうやって私たちは生まれたのか。最近はこうした大きな謎に科学の力で迫れるようになりました。そして解ってきた宇宙の姿は、誰も想像もしなかったびっくりするものです。学校で教わった「万物は原子でできている」は大ウソで、宇宙の5%程にしかなりません。残り95%のうち約27%が暗黒物質、約68%が暗黒エネルギー、どちらも何だかわかっていません。しかし重力で引っ張る暗黒物質と、増え続けて宇宙を引き裂く暗黒エネルギーのせめぎ合いで宇宙が進化してきたのです。宇宙は無限に引き裂かれて終わってしまうのでしょうか。こうした研究についてお話しします。

WPI 9拠点ノポスターと映像による紹介

映像による紹介

映像を用いてWPI 9拠点の若手研究者が高校生に向けて自らの研究を紹介します。

ポスター展示による拠点紹介

ポスターによる拠点紹介を行います。
拠点紹介映像に登場した若手研究者や他の高校生との議論の場とします。

  • Daniel Miles Packwood ダニエル・パックウッド 東北大学 原子分子材料科学高等研究所 助教
  • Claire Lackner クレア・ラックナー 東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 特認研究員
  • 古川修平 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 准教授
  • 森勇樹 大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 助教
  • 吉川元起 物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者
  • Stephen Lyth スティーブン・ライス 九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 助教
  • Michael Lazarus ミハエル・ラザルス 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 准教授
  • Matthieu Laneuville マチウ ランオーヴィル 東京工業大学 地球生命研究所 研究員
  • René Hendrik Wink レネ ヘンドリック ウィンク 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 博士研究員

※研究者によっては都合により当日会場に伺えない場合がございますので、ご了承下さい

高校生による研究活動紹介

高校生のポスター展示による研究活動紹介

展示ブースにて、高校生が日頃の研究活動内容をポスター発表します。

 発表高校
 ・市川高等学校
 ・茨城県立土浦第一高等学校
 ・埼玉県立不動岡高等学校
 ・東京都立戸山高等学校
 ・広尾学園高等学校
 ・茗溪学園高等学校
 ・横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校

高校生の壇上での研究活動紹介

3校の高校生が壇上で研究内容の紹介を行います。
講演をする講師3名と、同じく壇上で発表を行う他2校の高校生との質疑応答を行います。

 壇上発表高校
 ・東京都立戸山高等学校「低速型風車で拓くマイクロ風力発電の未来」
 ・市川高等学校「音波の干渉立体解析」
 ・広尾学園高等学校「CdS/TiO₂層光半導体を用いた新型色素増感太陽電池の開発」

当日のプログラム

13:00-14:00 開演前/ブースでのポスター発表:WPI 9拠点と高校生のポスター発表

14:00-14:10 開会挨拶

14:10-14:20 映像:WPIの紹介/WPI 9拠点の若手研究者の映像

14:20-14:40 講演1:京都大学 iCeMS 王丹 助教 ゲノムが導く明日の自分

14:40-15:00 講演2:九州大学I²CNER アレクサンダー・ステイコフ 助教 コンピュータシミュレーション ナノの世界へようこそ

15:00-15:20 休憩

15:20-16:20 高校生(3校)による壇上での研究活動紹介/質疑応答

16:20-16:30 ポスター発表高校によるポスター内容紹介

16:20-17:35 ブース展示:WPI 9拠点と高校生のポスター発表

17:35-17:55 講演3:東京大学 Kavli IPMU 村山斉 機構長 宇宙に終わりはあるのか

17:55-18:00 閉会挨拶

18:00-18:30 終演後/ブースでのポスター発表:WPI 9拠点と高校生のポスター発表

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